【収録曲】 @ なぎ倒された夕映え A 抱きしめたい B ケ・セラ・セラ C 誰もあの娘を奪えやしない D 愚かな恋 E BLIND LOVE F いつだって行っちまえるんだ G あの日の夏の日々 H 赤いクルマ I ガラス窓のBLUES @ なぎ倒された夕映えに なぎ倒された夕映えに 毛布をかけてやれよ やけどをした地平線に 転がるリンゴ あの娘に伝えておくれ 俺が待ってると 静かな夜がくだけ散る あまりに寂しいもので ポケットには小銭 でもあと百円足りない あの娘に伝えておくれ 俺が待ってると 橋は焼け落ちた ボートは沈み 兵隊達は行き場を失くした 冬がそこまで来てるっていうのに 真夜中過ぎの遠吠え 三日月のしずくこぼれ 泣き出さないように 笑いつづける あの娘に伝えておくれ 俺が待ってると A 抱きしめたい 朝に泣く鳥の声 あの娘を抱きしめても 抱きしめても 抱きしめても 抱きしめても まだ足りない 昼に無く蝉の声 あの娘を抱きしめても 抱きしめても 抱きしめても 抱きしめても まだ足りない 大都会のスクランブル交差点 人並みをかきわけて かきわけて 俺はあの娘を見つける 夜に鳴く犬の声 あの娘を抱きしめても 抱きしめても 抱きしめても 抱きしめても まだ足りない B ケ・セラ・セラ 何故だか知らない この光はなんだか懐かしい ただ飲んだくれて迷い込んだ 路地の奥なのに 誰かといてはぐれたのか ただひとりぼっちだったのか ネオンの色が溶けてゆく 無茶苦茶な時刻 「ケセラ・ケセラ・ケセラ・セラ」と、 子供のとき耳にした歌を口ずさむ 夜更けにはピエロたちが口笛を吹く 風船女の流し目 怪力男の涙 ゴムまりが弾けたとき 裸電球が切れた 剥げ落ちたメイクの下 あの娘は微笑む 「ケセラ・ケセラ・ケセラ・セラ」と、 子供のときに耳にした歌を口ずさむ ゴミをあさるカラスの声 寝呆けた都会の朝に まだ名前もつけられないでたらめな光 わけもなく意味もなく 君がとても欲しい この空がたたまれてゆく その一瞬前に 「ケセラ・ケセラ・ケセラ・セラ」と、 子供のとき耳にした歌を口ずさむ C 誰もあの娘を奪えやしない あの娘はいつもやってくる ひとにぎりの地下鉄と ハンドバックいっぱいのブルース 誰もあの娘を奪えやしない あの娘の瞳が大好きさ 誰もたどり着けやしない 森の奥の湖みたいでさ 誰もあの娘を奪えやしない あの娘の言葉が大好きさ 花から花へと飛びまわる 蝶のダンスきらめきさ 誰もあの娘を奪えやしない あの娘はいつもやってくる ひとにぎりの地下鉄と ハンドバックいっぱいのブルース 誰もあの娘を奪えやしない D 愚かな恋 はたから見ればきっと愚かな恋さ 俺から見ればまるで聖者の夢のようさ 人から見ればきっとただの小娘さ 俺から見ればまるで人魚が陸に上がったみたい でたらめに描き上げたあの娘のポートレート 「素敵よ」とささやいて微笑んでくれたんだよね 花咲く丘を二人歩いたね 花散る道を川に沿って歩いたよね あの娘の口ずさむ歌はなぜか 俺の口ずさむ歌とよく似てた からからに渇いてた俺の胸の庭には 派手じゃないやわらかな花を咲かせてくれたんだ その日はやけに風が吹いていた 俺の胸もやけにぶるぶる震えていた 電話はもう通じないあの娘の声も聞こえない 俺の指は空しくナンバーの上をさまよう がらがらと崩れ去る俺の夢の城よ だけどだけど消えぬ面影よ はたから見ればきっと愚かな恋さ 俺から見ればまるで聖者の夢のようさ E BLIND LOVE お前がそんなでたらめだなんて 最初は全然気が付かなかった 借りてきた猫みたいなもんさ 俺がいなけりゃ今にも死んじまいそうに見えた お前が俺に話してくれたこと ひとつだって嘘なんてまじっちゃいなかった 俺を死ぬまで愛してくれるなんて あのときお前は本気で言ってくれたんだな 月がまたひとつ満ちては欠ける 俺の影くっきり街角に刻まれる ゲームセンターの裏口からは 飽きられたゲーム機が運び出される 屠殺市場へ売られていくようさ 今夜月が歌う「ドナドナドナ」 夜更けにかける擦り切れたレコード お前はまだあの歌を覚えてるかい 今やお前はなんいだってなれる そうさ月だろうが星だろうが太陽だろうが お前がくっきり俺に刻まれる 忘れてしまえば楽になれるのに BLIND LOVE... F いつだって行っちまえるんだ いつだって行っちまえるんだ いつだって行っていいんだ 時計はいつもの時刻 約束なんてないよ だからいつだって行っていいんだ いつだって行っちまえるんだ 別れのキスがほしいのか 記念写真なんか撮ったり するつもりなんてないよ だからいつだって行っていいんだ いつだって行っちまえるんだ 涙だって流してやるよ 「蛍の光」の代わりに ロックンロール歌おうか だからいつだって行っていいんだ いつだって行っちまえるんだ 泣き言なんて言わないぜ 砂時計ひっくりかえし 合図の時を決めようぜ だからいつだって行っていいんだ G あの夏の日々 あの夏の日 あの夏の日 夜明けに犬は走り 俺はノートを広げ あの娘のために言葉を あの娘のために歌を書いた 光は降り 雨も降り 夜更けに犬は吠えて 俺はギター抱え あの娘のためにメロディを あの娘のために歌を書いた 空には星 空には雲 疲れて犬は眠り 俺の胸は透き通り あの娘にために俺は 犬が吠えるように 歌を歌ったんだ H 赤いクルマ 天気予報は外れてたから 夜の海にいたんだ 星占いは信じないから 夜空がうれしくて 戦争映画のサーチライトの ような灯台の 光を浴びて 俺は何処へも逃げられないのさ さらさらと さらさらと さらさらと 指の隙間から さらさらと さらさらと さらさらと 砂がこぼれてく 書き割りのように黙り込む街 月灯りが照らす 海鳴りに似た音立てながら 赤いクルマが センターラインを楽譜みたいに 歌いながら走る ここは夜のどこいらあたり 潮が満ちてくる さらさらと さらさらと さらさらと 指の隙間から さらさらと さらさらと さらさらと 砂がこぼれてく 大きな腿(あし)に包まれるように 月が高く上がる 防波堤に打ち寄せる波 歌っているようだ さらさらと さらさらと さらさらと 指の隙間から さらさらと さらさらと さらさらと 砂がこぼれてく I ガラス窓のBluse 新しい朝にいつだってブルース 新しい朝にいつだってブルース 見慣れた埃だらけの ガラス窓通して新しい光 割れたガラス窓からのぞいて見ると 割れたガラス窓からのぞいて見ると クモの巣にひっかかった 蝶が飛び立とうともがいてる 聞いたこともない鳥の声がする 聞いたこともない鳥の声がする 窓を開けてみると 聞いたこともない歌が聞こえる 裂け目の入った雲に虹がかかる 裂け目の入った雲に虹がかかる 馬鹿らしいとはわかっちゃいるが うれしくなったりするんだな |